事例のご紹介

自社株を長男に承継させたい

お客様のご相談内容

電子部品製造会社A社の甲社長は、会社を創業して約30年、これまで順調に発展して従業員も40名を数える規模に成長してきた。後継者については、長男乙が10年前に大手電機メーカーを退社してA社の取締役に就任しており後を継がせる予定になっている。しかし、頭を悩ましているのは自社株の承継である。業績が順調であったがゆえに自社株の株価が高く、税理士の試算ではすべての株を長男に相続させると相続税が3億円を超えるという。
そのため、生前贈与で長男に渡すことも検討しているが、贈与税も税率がかなり高いためあまり多くの株を贈与することができない。かといって、110万円の非課税枠の範囲では株の移転が遅々として進まない。さて、どうしたものか・・・そんなときに、地元の法人会会長から「納税を猶予する制度があるらしい」と聞かされ、その分野を得意とする当社に相談となった。

私たちの取り組み

当社では、A社の事業状況、株主構成、甲社長・長男乙氏の持ち株割合など、事業承継税制に係る要件チェックを行い、A社がこの制度に適格であるとの判断を行ったうえで制度の詳しいアドバイスを行った。事業承継税制・納税猶予制度はどんな中小企業にも適した制度というわけではなく、厳格な要件チェックのほかに、将来の会社経営に関わる様々な制約事項もあるため、それらを正しく甲社長と乙氏に理解していただくことを徹底した。
その結果、制約事項についてはすべて理解したうえで「ぜひ納税猶予制度を活用して自社株を贈与したい」との意向表明があり、さっそく申請手続きを開始した。
納税猶予の申請は、経済産業省の各地方に所在する経済産業局に提出する。当社ではこの納税猶予申請に多数の実績を有しており、短期間で円滑に申請を行い、そのうえで甲社長から乙氏に自社株の2/3を贈与する契約を結び、その贈与に関して納税猶予を受けることで多額の贈与税負担を繰り延べることができた。

担当者からひと言

「事業承継税制は難しい、制約事項が多くて使いにくい」というご意見を多くの方から伺います。たしかに、要件チェックがきびしく、さらに納税猶予の適用を受けたあとの制約事項も多いため、どんな企業にも無条件でお薦めできる制度ではありません。
しかしながら、業績がよくて自社株の評価が高い中小企業にとっては、その自社株をどうやって相続するかは頭を悩ませる問題となっています。高額な相続税の負担に耐えられるだろうか、と心配になっている事例も数多く見受けられます。
「ご長男に会社を承継させる」、などのように、後継者が明確になっている企業においては、この納税猶予制度を活用して税負担を繰り延べすることも重要な企業戦略となります。制度のメリット・デメリットを正しく理解してご活用ください。

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